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佐藤富雄先生とのお別れ・回顧

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この新幹線のチケットは、私が今日まで1年間捨てられず、
pitapaケースに入れたまま持ち歩いてるものです。

昨年の今日、仕事が終わって品川へ急いだ時のもの。

行先は、ドクター佐藤が入院する病院でした。

この朝、いつも明るい声の秘書から低いトーンで始まる電話があり、

「今のうちにドクターに会っておいた方がいいです」

そんな風に言われました。

突然のことでした。


この日は、ドクターのご縁で幸せ体質プログラムを受けてくださっていた方の
ファッションスタイリングの日でした。(実は今日もドクターつながりの方のスタイリングです)

打ち合わせにカフェに入ると、私の視線の先に、
ドクターと最初に会ったときにご一緒した
作家養成講座の同期が座っていました。

私は、もうドクターには会えなくなるよっと言いたい気持ちを抑え、
こんな日に会うなんてな・・・と声もかけずにひとりで考えていました。

病室に入ると、思ったより元気な様子のドクターがいました。
オシャレなパジャマに、一目みて上質とわかる毛布。
窓からは富士山がのぞめる明るい病室でした。

こんなに元気そうなのに・・・と思って近づくと、
ドクターは、猫や犬をなぜるように私のあごをなでて、
おお、来たか、来たか、朝から待ってたんだよ、と喜んでくれました。

その瞬間、この人は私にとって近い人だったんだと驚きました。

というのも、大好きな作家の先生として出会ったのもつかの間、
すぐに仕事を手伝うという立場になり、大好きな先生は上司になりました。
上司になったとたん、仕事!という気持ちがメインになり、私が勝手に
太~い一線を引いていました。

上司を上司とも思わず働いていた期間が長い私にとって、
ドクター佐藤は、人生で唯一、顔色をうかがった上司です。

お見舞いは早く失礼することが礼儀っと考える私が
しばらくは時間を忘れて病室にいました。

この調子なら大丈夫なのではないか?
ドクターなら、奇跡の復活もあって当然・・・
そんな想いを持った私は、また来ますねと言って病室を出ました。

待ってる

そういって笑顔で見送ってくれました。


それが存命のドクターに会った最後です。

大丈夫じゃないのかっと思ったはずが、病院の暗い夜間受付の前を通った瞬間、

これが最後

そんな言葉が頭に浮かびました。

バスを待つ間、自分でもビックリするくら涙が出てきたのを覚えています。


それから毎日、私はいろんな写真を撮ってドクターにメールをしました。

後からご家族に聞いた話では、息がしにくい時も、私からのメールをチェックして
写真を楽しんでくれていたそうです。

この1年、あまりドクターの名前は出さないようにしていました。
今日の話も、家族にしかしていません。


1年も経ったのに、なぜだか、このチケットを処分する気になりません。
1年を節目にと思いましたが、まだちょっと難しそうです。


単なる私の思い出話で、とりとめのないこの文章に、
最後までお付き合い頂いた方、本当にありがとうございます。
by yuristyle | 2013-10-20 08:36 | ★ つぶやき

脳活ライフプロデューサーの山下ゆりです。衣食住から脳を快適な状態にし、愛と仕事を手に入れる「ELT脳活メソッド」をお伝えしています。  


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